秘するが花

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    めた坊が生まれる前からいなばいっこ決めてることがあって、それは

     

    「どうせ高齢で初めての子だからあほほど過保護になるに決まってる! けどそれじゃ教育上良くないので、我が家ではメタボさんが長男! 坊が次男とゆうことにして、何事もあなたを優先することにしますからね!」

    「ヤッタア!! ワタシチョーナン!!」

     

    決めたけど、まあ生まれてみたらこの次男ものすげえ手がかかるしか弱いし、本能的についついメタボより優先どころかこの世の何より優先してしまう、恐ろしい最終兵器だった。

     

    とはいえ、メタボさんは大事だ。一生連れ添う相手は彼で、坊はゆっても18年たったら家出る。そんでよその女のものになる。そんなわけで、産前ギリギリまでやってた「会社に歩いて行くメタボさんがさみしくないように付き合ってウォーキング」を、産後二か月過ぎたあたりから復活。

     

    朝7時半には家を出るとゆう荒行を家族全員でこなす日々だ。

     

    朝に弱いメタボと朝に鬼強いけど深夜の頻回授乳で頭くるくるぱーなあたいと、朝運が悪いとおっぱい飲みたいタイミングにかちあたる(その場合歩きながら授乳する)坊のミラクル努力でなりたってるこの朝散歩、今日家出て10歩でいなば叫んだよ。

     

    「しまったあああ!!」

    「ドーシタノいなばちゃん?」

    「産前からの大事な日課、洗顔後のメタボさんの顔をブミる(注=ぶみぶみ音が出るほどに、保湿剤をメタボの顔にやたらめったら塗りたくる行為。メタボさんはこれをされるのが大好き)のを忘れたぁ!!!」

    「大丈夫! さみしいけど、ブミられなくテモ平気ダ! 赤ちゃんいるんだカラ!!」

    「何言ってんの?! ダメだよ! ブミは大事だよ!! だって考えて?!」

    「何を?」

    もしこれが最後だとわかっていたなら、きっと私はあなたを心をこめてブミったはずよ! 朝のブミりを省いて、もしあなたが死んだら私絶対一生後悔する!! だから、あなたがたとえ死んでも後悔しないようにやっぱりブミ」

     

    までいなばが力説したところで、メタボが悲痛な声でこう叫んだよ。

     

    「勝手に殺サナイデー!!!!!!!」

     

    あ、うんごめん。

     

    心がけっつうのは、自分の中でもっとくもので、言っちゃうとダメなやつでしたね。反省反省。ちなみにこの大騒ぎ中、坊は抱っこひもの中ですやすや寝てた。彼は毎朝メタボにブミられてる。

     

     


    脂産家

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      メタ坊最近おっぱい飲むのがめっきり上手になり、日に日にぽちゃぽちゃの愛さればでぃーに肥育されつつあります。

      こりゃめでたいってんで、メタボに抱かせて父子ショットを激写し、改めて見て愕然。

       

      「メタ坊肥えたけど…あれ、メタボさんもめっちゃ太ってね?!!」

       

      毎日じかに見てて気づかなかったけど、写真にとると歴然と判然と、メタボがかなりの増量を遂げていることに気づいた。だいたいメタ坊が増えた分くらい、増えてるかんじ。

      おかしい。いなば産後二か月目からは結構真面目に栄養に配慮した健康食を作って食わせてるし、ランチも健康的な店選んで行ってるはずなんだけど。

       

      「なんでだ?! なんか心当たりある?」

       

      問い詰めるいなばに、気まずそうに下を向いた後、メタボ告白して曰く。

       

      「ジツは…会社にお土産のオヤツコーナーがあって、そこのスイーツを食べまくっテタ」

      「なんでそんな自殺行為を!!」

      「仕事のストレス」

       

      家も建つけど墓も建つ、がキャッチフレーズの会社で順調に激務こなしてること思うと、グウの音も出ない答。思わず言葉に詰まったいなばに畳みかけるように、メタボはこう言った。

       

      「それと、イクジストレス」

       

      いや。

       

      おま。

       

      そりゃそうだけど。

       

      「だからって、会社のお菓子、食べまくることないでしょおおおおおお?!」

      「ダッテ、みな食べないからナクナラナイシ、モッタイナイと思っテ!!!」

      「それでこんなにこってり太ってりゃ、お前の健康がもったいないわあああああ!!!」

      「ごめんなさいヨオオオオ!! もうこれからはイッサイ食べないヨオオオオオ!!」

      「無理だから! そんな極端なのできないから! 全然食べないとかやると絶対リバウンドすっから、毎日15時に1個とか決めて理性的に食ええええ! それかキシリトールガム噛めええええ!!」

      「わかったよオオオオオ!!」

       

      …わかればいいんだけど、わかった通りにできるかっつったら難しいだろうなあ。何しろストレスたまると食べて解決するタイプなのは私もそうなので、断ち切る辛さはよくわかるので。

       

      それにまあ。

       

      ストレスなるほど育児に向き合ってくれてるのはありがたいことではあるし。

       

      さらにまあ。

       

      確かに育児してないお父さんたちって、シュッとしてるし。

       

      てことはあれか、メタボのこれっていわゆるひとつあれですな。うん。

       

      名誉の脂肪を遂げました、と。

       

       

       

       

       

       


      まさか

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        一時間以上原因不明のギャン泣きしてた息子がまさかこの曲で泣きやんで寝落ち。

        息子と入れ替わりに母の目に涙。


        素顔のままで

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          おかげさまで、めた坊は無事生後二か月になりました。

          いなばもおかーちゃん二か月になって、母親ぶりが板についたかといえば、そんなこたーない。

           

          新生児のころのめた坊の攻略法ようやく身に着けたかなーと思ったところで、軽やかに成長しちゃうんだもん。

          なに、今まで眠りそうなったらベビーベッドに置いたら寝てたのに、抱っこして歌ってとんとんしないと寝なくなるとか聞いてねーぞ。

          今までは目もあいてなかったから、授乳しつつネットしてなんの良心の呵責もなかったけど、ぱっちり開いた眼でガン見されながらスマホは…うん…なんかものすごい罪悪感。

           

          スマホ育児…良くない…気がする。気がするが。

           

          かといって、母乳育ちのめた坊は二時間に一回は腹減って、30分くらい乳吸ってる。

          すなわち一日六時間乳吸われてる間、「美味しいねえ」「良く飲むねえ」って語り掛け続けるの、ちょっとしんどすぎ、間がもたなすぎ。

           

          たまりかねて、育児の先輩である実母に聞いてみたよ。

           

          「ねーかーちゃん、あたいらがあかんぼの時って、ミルクあげながら目を見て語り掛けたりしてた?」

          「するわけないじゃない、そんな面倒なこと! 雑誌読んでたわよ!!」

           

          DAYONE!!

           

          「後のほうなんか抱いてないわよ。寝かせて隣にタオルたたんでその上に哺乳瓶置いておけば勝手に飲んだわよ!!」

           

          MAJIDE!!

           

          目を合わせるどころか抱かれてすらいなかったけど、別に母との間に絆がないわけでもないんで、ちょっと安心したけどやっぱスマホはいかんかなと思って、とりあえず雑誌を買ってみた小心者、いなば40歳。

           

          とゆうか、かーちゃんがもし母乳をあたいにあたえながら、目を見て微笑んで常に話しかけていたなら、私ってもっと優しくて素直で健やかな人間に育ったのだろうか。そうだとしても、そんな手間暇母にかけさせてまで、素晴らしい人間にならんでもいいやと今の私が思ってることを、きっとせがれも思ってくれるはず。

           

          親子だもんナ。

           

           


          体は米で出来ている

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            さて、胎盤食べたかったのに食べられなかったいなばには、もういっこ野望があった。

             

            えー、母乳でミルクティー作れたら楽じゃね?

             

            わざわざ冷蔵庫から牛乳パック出さずに、ストレートティーを前に片乳出して「ぴゅっ!」っていれたら完了、めっちゃ楽じゃね?

            なおかつ、牛乳より人乳の方が人体に対して親和性高いだろうから、より健康的なんじゃね?

            なにしろ不妊対策にあたいの食生活あほほどストイックだったから、そこらの乳牛よりはオーガニックな自信あるぜ?

             

            と思ってその話をすると、母乳出してたママさんたちみな微妙顔。

             

            「いやー…それはちょっと…」

            「うーん、やってみたいならしてみたら?」

            「でも、美味しくないよ?」

             

            え、マジ、母乳って美味しくないの?

             

            聞いてみたら答えがなんか色々だった。

             

            「知らない、飲んだことないし」

            「美味しくないよ、なんか血の味みたい」

            「しょっぱかったなー」

            「薄い感じだよー」

            「甘いよ」

             

            …どれが正解?!

             

            こりゃもう生んでみて出してみて自分で確認するしかねえな、楽しみだなあ、と思っていたけれど。

            甘い。いや、味の話でなく。

            母乳、そんな簡単に出ない。

            人によってはすぐじゃぶじゃぶ出る人もいるみたいだけど、あたいにとっては母乳出すって、繊細で精密で、なおかつ時間のかかる赤ちゃんとの共同作業だった。

             

            あげいんママである友たちに聞いたら、

             

            「母乳? 最初は出ないよー」

            「いつから出るようになったって? 三か月くらいかなー」

            「母乳の出を良くする方法? 生まれつきじゃないかなあ」

            「赤ちゃんが飲むの上手だとすぐだよ」

             

            いなば無知でおっぱいって産んだら勝手に出ると思ってたら、三か月コースって。そんなん粉ミルクない江戸時代とかどうしてたの? 飢え死にするよね? 心底疑問だったら、うちに訪問サービスに来てた産後ドゥーラさんがこう答えたよ。

             

            「そのころはたぶん子供が多くて、そこら中おっぱい出してるお母さんだらけだったから、たぶんもらい乳」

             

            それだあああ!!!

             

            さておき、話をいなば乳に戻して、コツコツがんばって一日20回とか吸わせてたら(母乳は吸わせれば吸わせるほど出てくる)、最近ようやくめた坊が吐き戻すくらい出るようになってきた。

            余ってたやつをちょちょいと絞ったら、ある程度量が出たので、いなば待望の味見をしてみたよ。

             

            あー…。

             

            うー…。

             

            ぬー…。

             

            …なるほど。これはミルクティ無理。

             

            いなばっぱいの味は、うっすいうっすい薄甘い、ぼやけたのど越しで、牛乳とは全く違うテイストだった。

            っていうか、あたい、この味知ってる。

             

            産後の差し入れでいただいた、神田の老舗「天野屋」の完全無添加、米と麹だけで作られた、そう。

             

            甘酒の味でした。

             

            それも甘酒ストレートじゃなくて、カロリー気にして薄めに薄めた甘酒のお味。

             

            そしてなおかつ、天野屋の薄めた甘酒の方が母乳より美味い。いなばっぱいはもっと甘みも淡けりゃこくも薄め。でも、系統としては牛乳より全然甘酒。

             

            知らなかったなあ。

             

            兎食べたとき、同じ四足の豚とか牛よりはるかに鶏に味近くてびっくりしたけど。

             

            日本人の味、牛より米。

             

            日本人男子が草食とか当たり前だった。日本人女子は米なのだから。自分の母乳経由ですごい納得した出来事。

             

            ちなみに、いなばは割とタブーとか気にしない方だけど、自分の母乳飲んだらすごい違和感あって、美味しくない以上に大匙二杯以上は喉通らなかった。まあでも考えたら、美味しくてごくごく飲みたかったら人は永遠に卒乳しないわけでそれも当たり前だなと。

            っていうか、牛乳って、本当に本当に本当に旨いんだなと。

             

             

             


            2018年のマリリン

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              さて、アメリカ人良人であるところのメタボさんにとっては、バレンタインは男を魅せる日。

              とはいえ、今年はめた坊の面倒で夫婦二人でぱにくっててそれどこじゃなく、近くの高級スーパーで買ったリンツのチョコで終わった。

              それが彼的には忸怩たる思いだったらしく、日本人妻の良人であるところのメタボさんにとっては、男を魅せる日その二であるホワイトデーに、すげえどや顔で紙袋を差し出してきたよ。

               

              「いなばちゃん! コレ!! ホワイトデーダカラ!!!」

               

              出された紙袋見て、いなばちょっと息飲んだ。C○ANELって書いてあんぞ。

              クビんなって不妊治療して転職して子も生まれて我が家の家計は厳し目だ。

              だだだいじょうぶか。

              軽くビビるいなばを前に、良人は胸を張った。

               

              「大丈夫! ものちゅごくくだらないものダ!!」

               

              …この、「ものちゅごくくだらないもの」ってのはあたいの口癖で、

              「メタボさーんおきゃねちょうだい」

              「何? なにか買ってほしいノ?」

              「いや特にこれってこたないんだけど、あぶく銭があったらものちゅごくくだらないものを買ってやろうと思って」

              ってやりとりをたまにしてるんですね。

              この「ものちゅごくくだらないもの」ってのは、生活の役に立たず、いなばの虚栄心を満たすだけで、たとえば桃の缶詰型のポーチとか、その癖微妙に高額なのがポイント。

               

              ちなみにこのやり取りをしながら、その「ものちゅごくくだらないもの」をいなばが買うことはない。締り屋だから。

               

              その「ものちゅごくくだらないもの」をメタボが!? CH○NELで?! なんなんだ?!!

               

              ドキドキしながら包みを開けたら、「NO.5」って書いてある箱が出てきた。

              あたいの大好きなマリリン・モンローが裸にまとったとゆうあの、シグネチャーパフューム、シャネルのNo.5?! 全然くだるぞ?!と思って箱開けたら。

               

              香水じゃなかった。

               

              丸くて白くてつやつやした、ものっそいいーい香りの、石鹸だった。

               

              「おおおおおお!!! これは!!!」

              「いなばちゃん、めた坊いるから香水はつけられないカラ!! 石鹸にしたヨ!! びっくりシタ?!」

              「したした、No.5の石鹸なんかあるんだ!! こりゃ良い目の付け所だね! 」

               

              石鹸なのにブランドもの。

              石鹸なのにあほ高い。

              でもブランドものにしちゃ安い

               

              「たしかに「ものちゅごくくだらないもの」に合致するよ! ありがとううう!!!」

               

              いなば人生初めてのCHA○ELに大喜びして、No.5の石鹸を箱から取り出し、早速その夜つか…わなかった。

              もったいないもん。

               

              「いなばちゃん、何してるノ?」

              「もらったNo.5の石鹸をねー、あたいの箪笥の肌着入れにしまってるの。こうするとね、香りが肌着に移ってね、香水つけてないのに自然にイイ香りが漂うって聞いてねぇ」

              「ソリャいいね! ナイスアイディア!!」

               

              ってんでその日は寝た。

               

              翌日自分がそんなことしたのこってり忘れて、着替えてぱんつも履き替えて、そんでもって驚愕。

               

              「めったぼさああああん、すごい!! CHA○ELの石鹸すんごい!! めっっっっっちゃ良い匂いする!!! 」

              「ほんとダ!! すごいゾ!! 離れてるココからでもイイ匂いスル!!」

              「うわあ、自分の下着からNo.5の香りがするなんて、憧れのマリリンに近づけた気が…ものすごく…しねえええええええ!!!」

              「ナンデ?!」

               

              それはね。

               

              いなば、妊娠時に体重十キロほど増えたんですけどね。

              産後それがちょっとしか減らなくて、産前のてぃーばっくなんか入るわけなくて、いまだにへそまで隠れるマタニティ用でかパンLサイズをはいていて、それからNo.5の移り香が匂い立ってるから。

               

              マタニティ用パンいちで、仁王立ちしながら、

               

              「完全に不似合! 分不相応だべ、コレ!!」

              「そんなことナイよ? いなばちゃん可愛いヨ?!」

               

              良人の愛情フィルターでいくらどうフォローしてもなあ。素肌からNo.5とでかパンからNo.5とじゃ雲泥の差すぎる。

              ほかにあたいのNo.5移り香肌着と言えば、ブラなんか授乳に邪魔でもうずっとしてなくて、でもおなか冷やしちゃあれだから、はらまき。

              あたいのNo.5、腹巻とでかパンに主に働きかけてるかっこう。

               

              なんかCHA○ELに申し訳ないし、マリリンに顔向けできねえ感じだけど、でも。

              やっぱり良い香りがすると、でかパンに腹巻にノーブラで、顔も洗ってなくても幸せだなあ。

              想像とちょっと違ったけど、憧れの人の憧れの香りまとえてなんか大人の階段上ったきがするいなば40歳のホワイトデー。

               

               

               


              No crying No life

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                いなば本日で40歳になり申した。

                 

                あたい30歳になったときすげー大騒ぎして「もう二十代じゃなくなる! 結婚もしてないのに!! 彼氏もいないのに!!」と大変荒れ申した。

                 

                40歳になるときは輪をかけて荒れるんだろうなあと、我ながら思ってたわけです。「もう40代になっちゃう! 子もいないのに! シミが! シワが!!」ってな具合に。

                 

                ありがたいことに蓋あけてみたら、昼夜ぶっ続けで二時間と眠らずおっぱい飲み続けるめた坊さんのおかげで、激睡眠不足、鬼疲労困憊、自分の誕生日とかマジほんとどうでも良くなってた。

                シミとかシワとか気が付く以前に、鏡をもう何日もろくすっぽ見てない。

                とゆうか息子の乳児湿疹の方が百倍気がかり。

                 

                赤子をもって、老化を制してた。

                 

                いや制せてないんだけど。

                 

                気にならないって最強の解決策。

                 

                そんな自分のこととかほんとどうでも良くなったあたいが、今一番心を痛めてるのは、めた坊の理由不明なギャン泣きと欅坂46のセンター平手友梨奈ちゃんの動向。

                 

                新曲「ガラスを割れ!」が歌も踊りも大変な良作なのに、肝心のてちがMステに出ないなんて!!

                おっぱいもあげたしオムツも綺麗なのに、めた坊がひたすら泣き続けるなんて!!

                 

                これが、40歳を迎えるいなばの二大悩み。

                 

                めた坊が寝たすきに、youtubeで「ガラスを割れ!」(飼いならされた犬みたいになってないで、野生を取り戻せよ! 自由に暴れなよ!! とひたすら煽ってくるヤンキー魂溢れるオラオラ系の名曲)のMVを繰り返して見て、歌詞がじわじわと頭に浸透し、リピート30回目くらいすぎたとこで、あたい忽然と腑に落ちた。

                 

                えー。

                 

                曲の最後、いなばの愛する平手ちゃんが、最高クールにこう吐き捨てるんですよ。

                 

                吠えない犬は犬じゃないんだ。

                 

                そうだ。

                 

                泣かない赤子も赤子じゃない。

                 

                今めた坊は抑圧される前の、自由な野生の赤ちゃんなんだから、泣いてておーるおっけーなのだ。

                そう思えたら、なんだか肩の力一気に抜けたいなば四十歳の春、いやでも不惑なんて無理無理無理無理。

                 

                 

                 


                まずくない

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                  一か月の育休を終えて仕事に戻ったメタボさんは、めた坊が恋しくて毎日咽び泣いている。

                  いなばが坊に朝いちのおっぱいやってる間にせわしなく身支度して出社、眠りについたころに帰宅。結果、メタボさんおねんねタイムに

                   

                  「ふんにゃあああああああ!!!」

                  「ああ、私の大好きなオムツ替え(本当に好きでやってる)! するヨ!!」

                   

                  と立候補するわけだが、

                   

                  「そんな体力君にはないね。息子のオムツ代稼ぐために、むしろ寝て!! どんだけ泣かれても!! 鉄の心で!! 寝ろおおおおい!!」

                   

                  いなばににべもなく言われ、すごすごと耳栓をしながら、涙目で就寝することに。

                   

                  そんな彼の担当の育児は、帰宅後にオムツでパンパンになったごみを集めて捨てられるようにすることと、洗濯物を回すこと、そして赤ちゃん沐浴時に下にひく、カエル型のクッションを脱水しておんもに干すこと。

                   

                  でもなにせ、激務で疲れてもうろうとしてるので、たいてい何か手落ちして、翌日あたいに指摘されることになる。

                  洗濯物回す前にフィルター掃除しわすれたとか、ゴミ集めしたけど、新しいビニール袋セットしわすれたとか。

                   

                  今朝の場合は、いってきますと家を出た後に自ら手落ちに気づいたらしい。ソッコーラインが来たよ。

                   

                  >らぶらぶ!

                  >そんでいやのようかんがする〜

                  >そとにほした🐸ちゃんは大丈夫?

                   

                  それな。

                  関東地方は昨夜から今朝にかけて大雨。だけど、もうろうとしてたメタボさん、その大雨のベランダにふつーに沐浴クッションかえるちゃん干しちゃってた。それはあたいも朝いちで気づいてたけど、指摘するのもめんどくさくて黙ってたが、自ら気づいたとは偉い。

                   

                  >🐸ぬれてるけどまたあらってほすわー

                   

                  こう打ってからちょっと考えて、今後の教育のためにつっこんでおいた。

                   

                  >ちなみによかん、ね。ようかんだとわがしよ

                   

                  そした間髪入れずにこうかえって来たね。

                   

                  >うまい

                   

                  …。

                  ……。

                  ………。

                   

                  いや、うまくないよね?

                  っていうか、それ言うのあたいの方だよね?

                  いやいや、それにしても別にうまいことは言ってないよね?

                  待て待て待て、これはひょっとして羊羹は美味しいってことか?!

                   

                  たった三文字で嫁を混乱の渦に叩き落した良人は、

                   

                  >ありがとういなばたん

                   

                  と強引にまとめてそのまま仕事に赴いていった。

                   

                  「嫌な予感」って言うと苦くて黒い感じだけど、「いやのようかん」て言うと甘くて茶色い雰囲気漂うのがふしぎ。

                  今後嫌な予感したら、いやのようかんて呟いて気を紛らわすといいかもしんないなと思ったいなば産後6週目、乳腺炎にならないためには洋菓子より和菓子と言われてますますようかん推し。

                   

                   

                   

                   


                  らいかばーじん

                  0

                    いなばでございます。

                     

                    妊娠中先輩ママに「育児書たくさん読んだけど、まったく意味なかった」って言われて、そんなこたーないだろうと思ってたけど、マジほんとまったく意味なかったことに愕然としてるいなばです。

                    本の通りに寝ないし起きないし乳も吸わないし乳もでねえ。

                    だいたいそもそもあたいが不器用な上にも動物飼ったことほぼないから、生き物の面倒見るセンスがねえ。

                     

                    結果、せっかく可愛い盛りの生後一か月のめた坊を前に、かわいいと思う余裕、一日平均5分。

                    ほかの時間何してるかっていうと、

                     

                    1)眠くてもうろうとしてる

                    2)泣きやませ寝かせようと血眼になってる

                    3)坊の現在と将来に不安を抱いて恐怖におののいてる

                    4)家事

                     

                    ヤバい。

                     

                    せっかく長年の不妊乗り越えて赤ちゃんを授かったのに。

                     

                    しかも赤ちゃん時期など1年しかないのに、肝心の赤ちゃんと触れあえてない、可愛がれてない私、こんなの本末転倒っていうか、ママ失格じゃね!?

                    でもこのふにゃふにゃの目もろくに合わない生き物と、どうコミュニケートしたらいいのよ? わっかんね、やべえ、正解が見えねえ。息子の成長にふさわしい私のスタンスってなんなんだ?!

                     

                    思わずベリーダンスの師匠にして、双子の肝っ玉母である観音先生にヘルプラインを送ったよ。

                     

                    「先生、息子が生後一か月過ぎて、だいぶ目覚めてるわけだが、なんかしてあそんでやるべき? 間が持たないよ」

                     

                    かえって来た答が相変わらずスゴい。

                     

                    「いらん」

                     

                    マジか。

                     

                    「自分が好きなことをするほうが優先。合間に世話してやりゃあ十分だよ」

                     

                    マジかあ?!

                     

                    「あまりかまいすぎると、それが当たり前になって過保護になるよ。赤子も当たり前になってかまわれようとするし、あとあと地獄見るよ」

                     

                    へええええ。

                     

                    「先生寝かしつけとかどうやってたの?」

                    「寝るまで放置」

                     

                    うえええええええええ。

                     

                    「機嫌がいいときはかまってやり、泣いてしつこいときはあえて離れる。これが真のしつけ。しつこいと母いなくなる」

                     

                    すっげえすっげえ。女を離れなくさせるやりちんみたいなテクだ。先生本当にありがとう、すべての育児本の逆を行く。超☆アドバイス。感動に打ち震えるいなばに、観音先生はこうまとめたよ。

                     

                    「いい母なんて、幻想」

                     

                    それな!!!!!!

                     

                    …っていうか、観音先生が双子育児を通して身に着けた、このオラオラ系ヤリチン子育てスタイル聞いて、私いっこわかった。

                     

                    先生が手練れのヤリチンだとしたら、あたいは童貞だ。育児の童貞。

                    今の私が、めた坊をリラックスして過不足なく面倒見ながら、自分も子育てを楽しむなんて、童貞が処女相手に初めてのセックスでイカせようとするくらいの無理。

                     

                    私、エロ本(育児書)の読みすぎだった。

                     

                    子育てを楽しむなんて、童貞捨ててからの話だ。前後が逆。

                    童貞の癖に焦りすぎて、せっかくできた最初の彼女を「なんでこの女AVの通りに触ってんのに濡れねえんだ」みたいなスタンスでメタ坊育ててた。

                    そりゃお前の触り方がなってねえからだ。そして触り方が理想的であっても、濡れるか濡れないかは個人差ある。

                    当たり前の話だった。

                     

                    子育て童貞の私が、できることってじゃあなんだろう。

                     

                    それはやっぱり、下手でごめんと思いながら、せめて痛くないように丁寧に彼女に触れて、まずは一回やり遂げることだろう。どんな形でも。イクとかイカせるとかは、もっとずっと先の話。だって、初めてなんだから。

                     

                    いつかそれがいい思い出になると良いなと願いつつ、黒歴史になって当たり前と腹くくった息子生後一か月ちょい。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     


                    こはまさりけりこはまさるらむ

                    0

                      いなば、旅の際、必ず手荷物に入れる三種の神器があって、何かというと「アイマスク・耳せん・マスク」。

                      旅先でうるさくて、乾燥して、まぶしくて寝れないのが何よりつらいあたいの、洗面用具より大事なお供で、当然帝王切開で入院するときも病院に持ってった。妊娠糖尿病で入院した時に超☆お役立ちだったから。

                       

                      私、出産と、赤ちゃんのことなんもわかってなかったんだなあ、ってのが、この三点セットに現れてる。

                       

                      まず、出産前夜、帝王切開前で緊張して寝られやしねえ。環境じゃなくて、自分由来の問題で睡眠なんか取れない。故に意味なし。

                      そして、出産直後の夜、手術の痛みと麻酔が中途半端に効いてて身動きできない不快感と、飢えと喉の渇きで寝られやしない。というか、アイマスクと耳せんとマスクつけられる状態じゃない。両腕に管がついてる。最高に意味なし。

                       

                      最後に、産後赤ちゃんと同室スタートすんべ?

                      寝れないよ?

                      ていうか、寝ちゃヤバいよ?

                      耳せんなんかしたら、鳴き声聞き洩らすかもよ? アイマスクなんてしてたら息子の動向見れねえよ? マスクはしてもいいけど、語り掛けがくぐもるっていうか、邪魔だよ!?

                       

                      私の旅のベスト・パートナーが、子供産まれた瞬間に不用品に早変わりしたよ。

                       

                      びっくりだよ。なんもわかってなかった。なーんもわかってなかったんだなあ。

                       

                      ちなみに、メタボさんは私と結婚する前から、っていうか、もうずーっと長年不眠症と戦っていたんですよ。

                      寝ると必ず悪夢を見る。キャッチフレーズは「少なくとも性的虐待はしなかった」である、パンチの効いたお母さんが、いろんなモンスターに変化して、彼を追い詰めて苦しめる。そんな夢。

                      この悪夢をなんとかするために、いろんなことを7年の結婚生活で試みてきたけど、ダメだった。毎晩彼はお母さんの悪夢にうなされてた。

                       

                      そして産後、メタ坊の面倒で夜もなかなか寝られず細切れ睡眠で、目の下にクマ作ってる良人に、今朝ふと思い立って聞いて見たよ。

                       

                      「そういえばメタボさん、悪夢って今も見てんの? この超☆ショートスリープでも見る暇あんの? それとも夢も見ないで爆睡?」

                       

                      物憂げな顔で、メタボさんが出した驚愕の答えがこちら。

                       

                      「悪夢見てるヨ。…でも大丈夫ダヨ」

                      「え? まだ見てんだ?! こんな疲れてても悪夢見れんだ!! でも大丈夫ってどういうこと?」

                      「ウン、悪夢は見るんだけど、ドーデモイイ。それドコロジャナイ」

                       

                      息子の世話が大事過ぎて、母のトラウマガン無視ステイタスに進化してた。

                       

                      …いなばの大好きな平安歌人に和泉式部という恋多き女の人がいてですね。
                      二人の皇子(しかも兄弟)に愛され、しかも双方に先立たれるという激ロマンス体質な彼女は、前の結婚で娘もいて、その娘が母より先に子を残して亡くなったとき、こんな歌を詠んでいる。

                       

                      とどめおきて 誰をあはれと 思ふらむ 子はまさるらむ 子はまさりけり

                       

                      亡くなった娘は、残して逝った母と子と、どちらを可哀想に思っているだろうか。

                      子供の方だろう。我が子に去られた私がこんなに辛いのだから。

                       

                      確かに子が勝つことを平安から平成で体感。トラウマを無効化する鍵は、子。

                       

                       

                       


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